いい家を見つけたけど駅から遠い。
買って大丈夫?後悔はしたくない。
こんな悩みに回答します。
結論からいうと、電車通勤の方にはオススメしません。
実際に私は賃貸時代に駅から遠い家に住んだことがありますが、そのときの体験談を含めてお伝えします。
記事を読み終えると、後悔する理由と買っても大丈夫な人が分かります。
私が見つけた駅から遠い家
次のような家でした。
駅から徒歩での距離 | 徒歩30分 |
駅からバスでの距離 | バス5分+徒歩3分 |
バスの本数(通勤時) | 12本 / 1時間 |
バスの本数(その他) | 6本 / 1時間 |
スーパーまでの距離 | 徒歩5分 |
駐車場 | 2台 |
駅からは遠いですが、バス便も多くスーパーやドラッグストアも近くにあり、駅を使わなくても生活が完結しそうです。
また駅近では建てられないような広さで、リビング吹き抜けや約5畳の芝生の庭など、それ以外の不満はありませんでした。
駅から遠い家で後悔する6つの理由
しかし購入しなかったのには理由があります。
1. バスは時間通りに来ない
バスの時刻表は実際は目安程度にしかなりません。
時刻表には7:52と書いてあっても、実際の到着は8時を過ぎることも多くあります。
実際に私が駅から遠い家に住んでいたときの体験談です。
電車と違ってバスは同じ道路を他の車も走ってますから、交通状況によってバスが遅れてしまいます。
バスを通勤に使うなら、遅延することを考慮して10分以上早めのバスに乗らなくてはなりません。
そのため計算上の所要時間と実際に家を出る時間には、少し差があります。
たとえば8時に最寄駅に着きたい場合に家を出る時間は以下の通りです。
バス5分+徒歩3分だから7:52に家を出ればいい
バスが時刻表通りに来ないので、7:42に家を出なければならない
このギャップを理解していないと後悔します。
2. 雨の日の通勤が大変
通勤方法は主に3種類です。
・バスと電車
・自転車と電車
・車
それぞれみていきます。
バスと電車で通勤の場合
雨の日はバスが普段以上に遅れます。
バスは雨の日に利用者が増えるからです。
さらにバスが来たとしても満員で乗れないことがあります。
電車と違ってバスは「押し込んで乗る」ことはありません。
満員なら「次のバスに乗ってください」とアナウンスされるか、スルーされてバス停に停まってすらくれません。
実際に私は2本のバスに乗れずに会社に遅刻してしまったことがありました。
自転車と電車で通勤の場合
単に雨の日に自転車で通勤するのは大変という話です。
たとえば2020年7月の東京では31日のうち30日が雨でした。(出典:東京7月の雨なしはわずか1日 過去最も雨の日が多い – ウェザーニュース)
通勤時間帯に雨が降った日はもう少し少ないにしても、梅雨の時期の大半は雨の中自転車を漕いで通勤しないといけません。
また普段は自転車を使い雨の日はバスにする方もいますが、その場合も「バスと電車での通勤」と同じで雨の日は思ったようにバスに乗れません。
車で通勤の場合
車通勤の方にとってはデメリットは少ないのではないでしょうか。
通勤が車の方は休日も車で移動することが多いですから、電車にはあまり乗りません。
東北地方に住む私の友人はこう言っていました。
駅近は値段が高く、駅近に住むメリットがない。
地方は駅から遠い家の方がいい。
車中心で生活している人にとっては後悔することは少ないでしょう。
3. どこへ行くのにもまずバス
まず職場までの通勤は以下のようになります。
- 7:48自宅
↓徒歩
- 7:51自宅の最寄のバス停
↓バス
- 8:09自宅の最寄駅
↓電車
- 8:48職場の最寄駅
↓徒歩
- 9:00職場
当然ながら目的地によってルートは変わりますが、電車に乗る限り必ず必要な移動があります。
以下の部分です。
- 7:48自宅
↓徒歩
- 7:51自宅の最寄のバス停
↓バス
- 8:09自宅の最寄駅
駅に行くたびに必ずバスに乗ることになります。
そのため隣駅の駅前にある家電量販店に行く場合でも、次のようになります。
- 13:28自宅
↓徒歩
- 13:31自宅の最寄のバス停
↓バス
- 13:49自宅の最寄駅
↓電車
- 13:53隣駅
↓徒歩
- 14:00家電量販店
所要時間32分のうち21分が最寄駅までの所要時間です。
そのためどこへ行くにしてもまずバスに乗って21分かかるところから移動が始まります。
自転車でもまず自転車に乗るところから移動が始まりますし、徒歩でもまず徒歩で30分歩くところから移動が始まります。
駅から遠い家に住んでいる限りはずっとこの生活が続きます。
これが一番後悔することではないでしょうか。
4. 売りたいときに売れない
順調な生活なら問題ありませんが、様々な理由で家を売らざるを得なくなってしまう人も多いです。
そんなとき駅から遠い物件は売りにくくなります。
なぜなら駅から遠い家は物件数が多く、選ばれるのが大変だからです。
道のりなどを無視し、土地の面積と物件数が比例すると仮定すると、物件数は以下の通りです。
徒歩分数 | 面積 | 徒歩5分圏内を1とした 場合の物件数 |
0〜5分 | 502,400㎡ | 1倍 |
5〜10分 | 1,507,200㎡ | 約3倍 |
10〜15分 | 3,014,400㎡ | 約6倍 |
15〜20分 | 5,024,000㎡ | 約10倍 |
駅からの距離に応じて物件数が指数関数的に増えることがお分かりいただけると思います。
物件数が増えると買う側からすれば選択肢が増えますから、売却した物件が選ばれる可能性も低くなります。
そのため駅から遠い家は売りにくいと言われます。
詳細な計算式は以下に記述したので、詳しく知りたい方はご覧ください。
円のおおよその面積は半径×半径×3.14で求められます。
徒歩1分の速度は80mとします。
徒歩5分圏内の面積 = 400m × 400m × 3.14 = 502,400㎡
徒歩5〜10分圏内の面積 = 徒歩10分圏内の面積 – 徒歩5分圏内の面積
= 800m × 800m × 3.14 – 502,400㎡ = 2,009,600㎡ – 502,400㎡ = 1,507,200㎡
徒歩10〜15分圏内の面積 = 徒歩15分圏内の面積 – 徒歩10分圏内の面積
= 1,200m × 1,200m × 3.14 – 1,507,200㎡ = 4,521,600㎡ – 1,507,200㎡ = 3,014,400㎡
徒歩15〜20分圏内の面積 = 徒歩20分圏内の面積 – 徒歩15分圏内の面積
= 1,600m × 1,600m × 3.14 – 3,014,400㎡ = 8,038,400㎡ – 3,014,400㎡ = 5,024,000㎡
ちなみに私は永住することを考えており、万が一売却することになればそれは仕方がないと考えていたため、売れないことはあまり気にしませんでした。
しかし売りやすいことを重視する方にとってはデメリットでしょう。
5. 買い物が不便
買い物が不便かはライフスタイルによります。
・駅前にしか買い物できる場所がない
・駅より近くに買い物できる場所がある
・休日に車でまとめて買い物をする
順に説明します。
駅前にしか買い物できる場所がない場合
駅前でしか買い物ができなく、駅からも遠い家は買い物に不便です。
通勤の帰りに駅前のスーパーで買ったものをバスや自転車で長時間持ち運ぶことになるでしょう。
また休日も駅まで買い物に行かないといけませんから、時間も労力も必要です。
このパターンの人は駅から遠い家は後悔する可能性が高いでしょう。
駅より近くに買い物できる場所がある場合
近くで買い物ができれば、駅から遠い家でも不便には感じません。
過去私が住んでいた家は駅からは遠かったものの、近くにスーパーとドラッグストアがあったため買い物で不便に思ったことはありませんでした。
他に買い物ができる場所があれば、駅から遠くても買い物に困ることは少ないでしょう。
休日に車でまとめて買い物をする場合
駅から遠い家に住む人は車を持っていることも多いでしょうから、このパターンの方は多いです。
車だとむしろ駅前は車を停めにくいため、わざわざ駅前で買い物しないんですよね。
郊外のショッピングモールやお店が集まっているエリアに買い物に行くことが多いです。
そのため車で買い物をする人も、買い物が不便で後悔することは少ないでしょう。
6. 老後の移動が大変
結論、車でしか生活ができなくバスが通っていない家だと老後は大変です。
健康な間は問題ありませんが、歳を重ねると視力も弱くなり周囲の車や人の動きへの反応も遅くなります。
車はいつかは運転できなくなったり免許証を返納するときがきます。
車しか移動手段がない家の場合は、運転できなくなった後のことを考えておく必要があるでしょう。
しかしバス停が近くにある家なら話は別です。
老後は通勤がなくなるため、労働時代より駅へ行く頻度は減るでしょう。
電車内に高齢の方の割合が少ないことからも分かると思います。
そのためバスさえあれば十分生活できる人は多いです。
ただしバスは電車より本数が変わりやすいため、老後まで運行されているエリアなのかはよく検討した方がいいでしょう。
まとめ:駅から遠い家で後悔する人しない人
以上を踏まえて、駅から遠い家で後悔するのはこんな方です。
電車中心の生活で通勤日数の多い方にはオススメできません。
実際に私はバスで通勤する覚悟ができなかったため購入を見送りました。
反対に駅から遠い家でも後悔しないのはこんな方です。
駅を使わないライフスタイルでバスが通っているなら、それ以外が気に入っていれば購入してもいいのではないでしょうか。
ぜひ自分のライフスタイルと照らし合わせて検討してみてください。
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