樹脂サッシは紫外線で経年劣化するのか?寿命は?強度や耐久性は?

悩む人
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樹脂サッシを採用しようか迷っているけど、耐久性は大丈夫?
アルミ樹脂複合サッシと比べて劣化するの?
紫外線でボロボロになるって本当?
耐用年数や寿命は短い?
強度が低いって本当?
熱で変形しない?
色あせはしてしまうの?

こんな悩みを解決する記事です。

結論からいうと紫外線でボロボロにはなりませんし、樹脂だから寿命が短いこともありません

耐用年数はアルミサッシや複合サッシと変わりません。

この記事を読めば、樹脂サッシの耐久性が他のサッシと比べてどうなのか、採用して問題ないのかがわかります。

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樹脂サッシは紫外線でボロボロに劣化するのか

論より証拠、実際に設置した年数が経過した樹脂サッシを紹介します。

紫外線でボロボロにはならない

以下の画像をご覧ください。

約30年経過した樹脂サッシの経年劣化
約30年経過した樹脂サッシの経年劣化(引用:YKK AP株式会社

約30年が経過した樹脂サッシの画像です。

見てのとおり、ボロボロにはなっていません

樹脂サッシと洗濯バサミは樹脂の素材が違う

よく「洗濯バサミやバケツのようにボロボロになる」と言われるので誤解が生じているのですが、樹脂サッシと洗濯バサミは素材が違います

洗濯バサミ樹脂サッシ
素材ポリプロピレン
ポリエチレン
ポリ塩化ビニル
(塩ビ・PVC)
紫外線ボロボロになるボロボロにならない
樹脂サッシと洗濯バサミの素材

洗濯バサミの素材は、ポリプロピレンやポリエチレンです。

ポリプロピレンやポリエチレンは紫外線で劣化します。

一方、樹脂サッシの素材は、ポリ塩化ビニル(塩ビ・PVC)です。(出典:YKK AP株式会社

ポリ塩化ビニルは紫外線で劣化しにくい素材です。

ポリ塩化ビニルは耐候性に優れている

樹脂には耐候性という性質があります。

耐候性とは

紫外線や温度変化に対する耐性のこと。

樹脂サッシに使われているポリ塩化ビニルは、樹脂の中でも特に耐候性に優れた素材です。(出典:プラスチック加工・樹脂加工の湯本電機株式会社

なので樹脂サッシは、洗濯バサミやバケツのようにボロボロにはなりません

発端は樹脂サッシが標準でないハウスメーカーのポジショントーク

そもそも「樹脂サッシは紫外線でボロボロになる」と言っているのは、樹脂サッシが標準でないハウスメーカーの社員か、元社員です。

ハウスメーカーでは社内教育があるので、社内で「樹脂サッシは紫外線でボロボロになる」と教えられます。

それをそのままお客さんに話すことで、ハウスメーカーのポジショントークが広まってしまったのです。

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樹脂サッシの経年劣化による色あせ

ボロボロにはなりませんが、色あせはあります。

経年劣化した樹脂サッシの色
経年劣化した樹脂サッシの色(引用:YKK AP株式会社

上記は樹脂サッシの経年劣化での色の変化です。

しかし確かに工業製品なので色あせはしますが、「みすぼらしい」「ボロい」といった印象は感じません。

複合サッシでも劣化はしますから、特段「樹脂サッシだから劣化しやすい」こともありません。

樹脂サッシの寿命や耐用年数

樹脂サッシの耐用年数は30年程度ですが、寿命は樹脂部分で決まるのではないため、アルミサッシでも複合サッシでも同程度の寿命です。

サッシの寿命は30年

国土交通省によると、外部建具の寿命は20年〜40年程度です。(出典:国土交通省

サッシは外部建具なので、耐用年数は約30年程度です。

樹脂の耐用年数は30年以上

塩ビ工業・環境協会によると、ポリ塩化ビニルの寿命は以下のとおりです。

たとえば、上下水道のパイプであれば50年経っても品質の劣化はほとんどありません。雨樋、電線ケーブル、床材でも20年は使われます。

塩ビ工業・環境協会

上下水道のパイプは紫外線にさらされない地中のパイプで、耐用年数は50年です。

雨樋は紫外線にさらされていて材質に厚みがなく、耐用年数は20年です。

この2つから考えれば、紫外線にさらされるけど厚みのある樹脂サッシのポリ塩化ビニルの耐用年数は、30年以上と考えられます。

樹脂サッシの寿命は樹脂以外で決まる

しかし樹脂サッシの寿命は、樹脂の耐用年数では決まりません。

なぜなら、金具やパッキンの方が先に寿命がくるからです。

なので樹脂サッシだからアルミ樹脂複合サッシより寿命が短いことはありません

樹脂サッシの衝突への強度と耐久性

経年劣化では差がない樹脂サッシですが、強度はやはり低いです。

ここでいう強度とは、衝突への耐久性です。

樹脂サッシは強度が低い

たとえばアルミサッシなら、物をぶつけて壊れることはまずないでしょう。

壊そうとしても壊れないほどです。

しかし樹脂サッシは、物をぶつけると割れたり欠けたりします。

やはりアルミと比べると、強度は低いです。

強度は低いが困ることは少ない

強度は確かに低いですが、それほど困ることもありません。

というのも、そんなにサッシに物をぶつけることはないからです。

日常生活の中でサッシになにかぶつけるのは、窓から物を出し入れする場合でしょうか。

引越しの際は気をつけた方がいいかもしれません。

樹脂サッシは熱で変形するのか

たまに言われることなので、一応記載しておきます。

熱で変形はしない

樹脂サッシが日常生活程度の熱で変形することはありません。

日常生活の中で変形するものを、建具としては使わないですよね。

ボイラーで熱すれば溶けるのかもしれませんが、太陽光くらいで変形はしません

ブラジルやタイでも使われている

日本にとっては樹脂サッシは新しいものですが、世界各国ではすでに樹脂サッシが使われています。

樹脂サッシが使われている国
樹脂サッシが使われている国(引用:YKK AP株式会社

暑い国だと、ブラジルやタイです。

日本で使われる樹脂サッシが熱で変形するくらいなら、ブラジルでは樹脂サッシは使われないはずです。

樹脂サッシの劣化対策

樹脂サッシを使いたい人
樹脂サッシを使いたい人

劣化対策は何をすればいいの?

という人もいるかもしれませんが、何もしなくて大丈夫です。

劣化対策は不要

サッシの樹脂部分に何か塗ったりする必要はありません。

なぜなら、寿命を迎えるのは樹脂部分ではないからです。

強いていうなら樹脂以外のメンテナンスを

メンテナンスをしたいなら、耐用年数のネックになる箇所がおすすめです。

たとえば開閉の金具です。

錆びないようにメンテナンスをしましょう。

樹脂サッシの経年劣化や耐久性まとめ

最後にこの記事で記載した内容をまとめます。

樹脂サッシの経年劣化や耐久性まとめ

Q. 紫外線でボロボロになるの?
A. 洗濯バサミとは違う素材なのでなりません。

Q. 色あせはする?
A. します。他の素材でもするので、度合いは画像を確認してください。

Q. 強度は?
A. 低いです。窓から物を出し入れする際は気をつけましょう。

Q. 耐用年数は?
A. 30年以上です。樹脂だから短いことはありません。

Q. 熱で変形する?
A. 太陽光くらいではしません。

Q. 劣化対策は?
A. 不要です。

物を特別よくぶつける人以外は、大きなデメリットはないでしょう。

経年劣化を気にして樹脂サッシの採用を悩んでいる方は、予算が許すなら迷わず採用して問題ありません

執筆者
住宅専門FPもり
住宅専門FPもり

マイホーム購入専門のファイナンシャルプランナーです。いくつもの家を見てきたため家に詳しい。営業トークが多い業界のため、フラットな情報の提供を心がけています。

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