樹脂サッシは結露しないって本当?
カビは生えないの?
樹脂サッシだけど結露した。なぜ?対策はあるの?
こんな悩みに回答する記事です。
結論からいうと樹脂サッシでも結露するときはしますし、カビも生えます。
ただ結露のしやすさには差があり、アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシより結露しにくいです。
この記事を読めば、樹脂サッシを採用すべきか、樹脂サッシが結露してしまったときの対策がわかります。
樹脂サッシでもトリプルガラスでも結露する
結露しにくいだけでしない訳ではない
樹脂サッシでもトリプルガラスでも、結露しない窓はありません。
条件によっては、どんなサッシでも結露します。
違いはすぐに結露してしまうのか、過酷な環境まで結露しないかの違いです。
樹脂サッシに結露が発生する仕組み
そもそもなぜ結露が発生するのでしょうか。
結露が発生する仕組みを紹介します。
空気中の水蒸気が液体に戻るから
結露の正体は空気中の水蒸気です。
空気中の水蒸気が水に戻り、サッシについてしまったのが結露です。
窓に触れた空気が冷やされて結露する
たとえば25℃の空気には22.8gまで水蒸気を含められます。
10℃の空気には9.3gまで水蒸気を含められます。
仮に25℃の空気に10gの水蒸気が含まれていたとして、25℃の空気が10℃まで冷やされると、10℃の空気に含められる水蒸気量9.3gを超えてしまいます。
10g − 9.3g = 0.7g
冷たい窓に触れて空気が冷やされ、水蒸気0.7gが水に戻って窓についたのが結露です。
樹脂サッシが結露しにくい理由
樹脂サッシでも結露すると説明しましたが、結露しやすさには差があります。
樹脂サッシが結露しにくい理由は、次のとおりです。
窓の温度が高いから
温度が高いほど空気中に含められる水蒸気量は多いので、窓の温度が高いほど結露はしにくいです。
樹脂はアルミより熱を通しにくいため、外の空気が冷たくてもサッシに冷たさが伝わりません。
そのため、結露が発生しにくいのです。
窓の温度の比較
では樹脂サッシとアルミサッシではどれくらい温度が違うのか、比較してみましょう。
以下の画像は外の気温0℃、室内の温度20℃で比較した窓の表面温度です。
窓の一番の弱点であるフレーム下部の温度は、アルミサッシで9℃、樹脂サッシで20℃でした。
アルミサッシ | 樹脂サッシ | |
ガラス中央 | 16℃ | 21℃ |
フレーム下部 | 9℃ | 20℃ |
樹脂サッシはアルミサッシに比べて温度が高く、結露しにくいことがわかります。
樹脂サッシの結露対策
ここまで樹脂サッシでも結露するとお伝えしました。
もし樹脂サッシが結露してしまった場合、できる対策はあります。
1. 加湿量を調節する
どんな窓でも窓ごと、環境ごとに結露する限界の温湿度があります。
樹脂サッシは結露しにくいですがそれでも結露するようなら、加湿器の加湿量を少しずつ減らしてみてください。
要は「窓の耐えられる範囲内での加湿にとどめる」ということです。
2. 窓用ヒーターを置く
窓の温度が高ければ結露しない訳ですから、ヒーターで窓の温度を上げます。
窓用のヒーターだと以下のようなものがあります。
ヒーターで窓の温度が上がれば、結露せず耐えられる温湿度の限界が上がります。
3. 結露防止シートを貼る
結露防止シートには仕組みとして吸水タイプと断熱タイプの2種類がありますが、断熱タイプがおすすめです。
吸水タイプ
結露で発生した水分を吸収させるためのシートです。
つまり結露は防げません。
水分を吸ったシートを放置することになるので、カビが生えます。
断熱タイプ
主に空気の層を作り、窓の表面温度を上げます。
窓にプチプチを貼るのもこのタイプです。
以下のようなシートがあります。
どうせ結露するから樹脂サッシでも意味ないのか
樹脂サッシにしようか悩んでいるけど、どうせ結露するなら意味ないの?
よくある悩みですが、結露するとしても樹脂サッシがおすすめです。
以下の例えがわかりやすいと思います。
汚れやすい床と汚れにくい床、どっちにしようかな?
どちらでもどうせ汚れるから、汚れやすい床にしよう。
上記の内容では多くの方が違和感を覚えるのではないでしょうか。
するかしないかの両極端だけではなく、どのくらいしやすいかも考慮すべきです。
樹脂サッシの結露まとめ
まとめです。
樹脂サッシは結露することもありますが、結露はしづらく、採用する価値はあるでしょう。
悩んでいるなら、樹脂サッシにすることをおすすめします。
もし樹脂サッシでも結露してしまうなら、加湿量を減らしてみてください。
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