吹き抜け作ろうかな。後悔するポイントを教えて。
こんな悩みに回答します。
吹き抜けは開放感を演出できますがデメリットもあるため、何も知らないまま採用すると後悔することがあります。
この記事では実際に住んでいる人に聞いた、後悔ポイントと対処法をまとめました。
記事を読み終えると、後悔しないためのポイントがわかります。
吹き抜けで後悔する理由と対策
吹き抜けには防げないデメリットがあるのではなく、後悔するのは対策をしないからです。
ここからは実際にあった後悔の理由と対策を紹介するのでご覧ください。
後悔1. 吹き抜けが寒い
一番多い吹き抜けの印象は「寒い」だと思います。
吹き抜けがあると1つの空間が広くなるため、エアコンが効きにくくなるのは事実です。
しかしそれは寒い状態から一気に部屋を暖める場合の話。
常にエアコンをつけておけば寒くはなりません。
そのための対策は以下のとおりです。
断熱する
吹き抜けに関わらず家が寒くなるのは、冷える速度に対して温まる速度が追いつかなくなるためです。
暖房で家を温めている間にも、窓や床、壁から熱は逃げ家は寒くなっていきます。
つまり逃げる熱を減らせれば、家を暖かく維持できますね。
熱を逃げにくくする方法が断熱です。
寒さが心配であれば設計士さんに以下のように伝えてみてください。
HEAT20 G1以上の断熱性能にして欲しい
HEAT20 G1とは、比較的温暖地において無暖房でおおむね10℃を下回らない断熱性能の基準です。
地域によって基準が異なりますので、詳細は担当の設計士さんに聞いてみてください。
断熱性能を上げることで熱を魔法瓶のように閉じ込め、広い空間でも空間全体を暖められます。
空気を循環する
空間全体を暖めるとはいえ、空間の中ではどうしても暖かい空気は上にいってしまいます。
暖かい空気を下に降ろせるよう、シーリングファンをつけておきましょう。
ただしそのシーリングファンも、ホコリがたまると掃除が必要になる点は注意が必要です。
もしシーリングファンだけでは部屋の下が寒いようでしたら、サーキュレーターを併用してみてください。
後悔2. 吹き抜けの照明の交換ができない
1階の高さが2.4m、2階の高さ2.4mとすると、1階と2階の高さを合計するだけでも天井の高さは4.8mにもなります。
実際には2階の床の厚みがプラスされ、天井を勾配天井にすることもありますから、天井高は5m近くになることもあるでしょう。
LEDかつ電球交換できる照明にする
5m近くもあると脚立や足場を組むだけでも大変ですから、できるだけ交換しなくて済むよう長寿命なLEDにしておくといいでしょう。
LEDの寿命は10年と言われています。
もし家に住む年数が50年だとしたら交換回数は4回で済みますね。
生涯のうち4回の交換なら、計画しておけば対処が可能です。
また照明にダウンライトを使うのでしたら、以下の2種類の型がありますのでご確認ください。
一体型 | 照明器具と電球が一体になっている 交換するときは器具全体 |
交換型 | 照明器具と電球が別々になっている 交換するときは器具を残したまま電球のみ |
吹き抜けに採用するのでしたら、多少高くなっても交換型にしておきたいところです。
将来的に交換を頼む場合の工賃に影響します。
天井には照明をつけない
もう1つの解決策は、そもそも天井に照明をつけないことです。
人が暮らす範囲を明るくできればいいですから、必ずしも照明が天井にある必要はありません。
壁にスポットライトをつけてもいいですし、壁の一部を間接照明にしてもいいですし、スタンドライトでもいいはずです。
あまり固定観念にとらわれずに、長く住むことを考えメンテナンスしやすいつくりにしておくといいと思います。
後悔3. 吹き抜けの窓が拭けない
吹き抜けに窓をつける場合は、その窓は拭けなくなります。
頻繁に拭くわけではありませんが、5年や10年もすれば砂ぼこりがついたり蜘蛛の巣を張られたりします。
定期的に掃除をしないと見栄えも悪くなっていきますね。
自分で拭くのか、定期的に業者に掃除を依頼するのか、きちんと計画した上で採用するようにしてください。
ロングタイプのガラスワイパーを使う
自分で掃除するようでしたら4.6mの長いワイパーがありますよ。
自分の身長プラス4.6mだとかなりの高さまで届くので、逆にこの商品の届く範囲で窓の高さを決めるのもいいかもしれません。
後悔4. 耐震性が落ちる
吹き抜けは床を取り払うことで広い空間をつくります。
そのため床がある場合と比べると耐震性は落ちてしまいます。
しかし吹き抜けを作ったからといって必ず耐震性の低い家になる訳ではありませんから、耐震性と意匠性のバランスを考えましょう。
耐震等級3が取れるよう計算してもらう
吹き抜けを作っても耐震等級3はとれますよ。
構造を強くするために一部の床や梁を残したり、吹き抜けの大きさを調整すれば、耐震性との両立は可能です。
設計士さんに相談してみてください。
後悔5. 音や匂いが広がる
実際に住んでいる友人からは、こんな話を聞きます。
- 夜リビングでテレビを見ている音が寝室まで聞こえる
- キッチンで作っているカレーの匂いが寝室まで届く
空間が1つに繋がったことで、音や匂いにもさえぎるものがなくなるためですね。
対策なし
寝室を防音室にすれば…というのは現実的ではないでしょう。
ただ生活する上でどれほど困るでしょうか。
吹き抜けの家に住む私の友人は、事実として音や匂いが広がることがあるものの、後悔するほどのデメリットではないと言っていました。
生活リズムの違う家族がいる場合は、もしかしたら影響があるのかもしれません。
吹き抜けで後悔しない空間ごとの対策
ここからは空間ごとに吹き抜けで後悔しないための対策をご紹介します。
リビング・リビング階段の吹き抜け
リビングは家の中で一番広い場合が多いですから、この記事で紹介したことを忠実に対策すれば後悔の多くは防げるでしょう。
リビング階段は位置によっては耐震等級3が取得が難しくなりますから、間取りの段階で耐震性能についても考慮してもらっておいてください。
具体的には次のとおりです。
玄関の吹き抜け
玄関はドアが断熱の欠点になりますから、吹き抜けと合わさって寒くなりやすくなります。
玄関ドアは予算が許すのであれば、高断熱玄関ドアにすることをオススメします。
またリビングの吹き抜けは優先的に南側に配置できることが多いですが、玄関の吹き抜けは道路の向きによって方角が制限されます。
南向きや東向きに窓の位置をとれればいいのですが、西向きだと夏の夕方に暑く、北向きだと直射日光が入らず、冬の日中に暖まりにくくなります。
まとめると、次のとおりです。
ハーフ吹き抜け
ハーフ吹き抜けって何?
ハーフ吹き抜けを知らない方のためにまずはご説明しますね。
1階と2階の中間の高さの吹き抜けのこと。
そのためハーフ吹き抜けの上の2階の床は半階分高くなる。
通常の吹き抜けと比較し、高さが半分のためハーフ吹き抜けと呼ばれているようです。
ハーフ吹き抜けでの後悔ポイントはその構造でしょう。
構造上はすべての面がまっすぐな方が強度がありますから、2階の床の高さが違うハーフ吹き抜けでは耐震性能が落ちやすくなります。
またハーフ吹き抜けをつくると、ハーフ吹き抜け上部とそうでない部分との間に階段ができます。
ハーフ吹き抜け上の空間も床が高くなった分、天井が近くなります。
天井の低さがデメリットになるのか、有効に活用できそうなのかをよく検討するといいでしょう。
吹き抜けで後悔しない状況別の対策
続いては個別の状況で迷っている方向けに、状況ごとの対策をまとめました。
北海道で吹き抜けで後悔しないために
北海道の気候の特徴は、なんといっても寒いことでしょう。
しかし対策はやはり他の地域と同じようHEAT20 G1を目指すことです。
なぜなら「HEAT20 G1」という同じ呼び方でも、その断熱基準は地域によって違うからです。
つまり北海道でHEAT20 G1を満たせれば、北海道の厳しい気候の条件でも暖かい家になります。
また耐震等級も積雪が考慮されますから、他の地域と同じように耐震等級3を取得すれば、北海道仕様の耐震性能になりますね。
一条工務店なら後悔する可能性は低い
一条工務店は住宅性能をウリにしているため、標準仕様で断熱性能、耐震性能が高いです。
そのため特に意識しなくても、吹き抜けで後悔しないための対策がされた家を建ててくれますよ。
まとめ:吹き抜けで後悔しないために
あらためて記事のまとめです。
大きく分類すれば、以下の対策をしておけばOKです。
素敵な空間を演出できる吹き抜けですから、デメリットについてしっかり対策し、ぜひ後悔のない家づくりをしてください。
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