築20年のマンションを買いたいんだけど、後悔することはある?
こんな悩みを解決する記事です。
マイホーム購入の専門家として1,000件以上のマンションを見てきました。
築20年のマンションは今後に築古に向かっていく年数ですので、その特徴を理解していないと後悔の原因になります。
築20年が悪いのではなく、デメリットを理解して正しく天秤にかけましょうという話です。
この記事では1,000件以上のマンションを見てきた私が思う、後悔する理由をまとめました。
記事を読み終えると、築20年のマンションを買うべきかがわかります。
築20年のマンション購入で後悔する5つのデメリット
築20年は築古に向かっていく過渡期の築年数なので、いろいろなものが変化します。
順にみていきましょう。
後悔1. 修繕積立金が上がる
築20年のマンションだと段階増額積立方式の方が多いです。
初めは少ない負担額で、徐々に修繕積立金を値上げする方式のこと。
グラフを見ると築20年のマンションでは67.8%のマンションが段階増額積立方式なことがわかります。
そのためマンション購入時には修繕積立金の値上げを見込んでおく必要があります。
後悔2. まだ価格が下落する
築20年のマンションは価格の下落途中です。
購入時よりまだ下がると考えておいた方がいいでしょう。
築20年はまだ底ではない
REINS(公益財団法人東日本不動産流通機構)の調査によると、中古マンション成約状況は以下のようになっています。
築年数 | 価格 |
0〜5年 | 5,411万円 |
6〜10年 | 4,602万円 |
11〜15年 | 4,242万円 |
16〜20年 | 3,716万円 |
21〜25年 | 2,528万円 |
26〜30年 | 1,697万円 |
31年〜 | 1,815万円 |
築20年ではまだまだ下落の最中ですね。
底はまだ先です。
築20年で価格が下げ止まるのは過去の話
「築20年で価格の下落が緩やかになる」と聞いたことはないでしょうか。
実はこの話、もう過去の話です。
2010年ごろであれば、確かに20〜25年を境に価格曲線が緩やかになっていました。
しかし今であれば価格の底打ちはまだ先です。
築20年で価格が下げ止まるのは、もう昔の話です。
残債割れのリスクがある
価格は落ち続けますから、残債割れのリスクは当然あります。
ある時点でマンションの資産価値より住宅ローンの残高の方が高く、売ってもマイナスが残る状態のこと。
たとえば4,000万円で買ったマンションが10年後以下のような状態になったとすると、200万円の残債割れです。
内訳 | 金額 |
マンションを売却した場合の価格 | 2,800万円 |
住宅ローン残高 | 3,000万円 |
残債 | -200万円 |
別のマンションへの住み替えや、万が一の意図しない売却の際にはこの残債を精算する必要がありますから、しっかり理解しておきましょう。
後悔3. 専有部のリフォームをしたくなる
築20年となると少しずつ専有部の傷みが目立ってくる時期です。
水回りのリフォーム
よく言われるのは水回りです。
賃貸でも住んでいるとわかりますが、水に濡れたまま放っておくとサビやカビが発生しますね。
お風呂のカビや、シンクのサビ、ガスコンロの油汚れもそうです。
汚れが蓄積し、気になりやすいのは水回りが多いです。
壁紙のリフォーム
住み方にもよりますが、築20年のマンションでは壁紙の黄ばみが気になる方も多いです。
自分が20年間住んで汚れたなら気にならないんですけどね。
やはり中古で買うマンションなら、自分が住み始めるタイミングで新しくしたいものです。
キッチンが一番汚れやすいですが、料理したときの油は意外と空気中に広がって、マンション中の壁紙がうっすらと汚れているものです。
後悔4. 2回目の大規模修繕がまだ
国土交通省が公開している大規模修繕についてのデータを紹介します。
98%のマンションは2回目の大規模修繕は終わっていない
次の画像をご覧ください。
「2回目」のグラフを見るとわかるとおり、2回目の大規模修繕がおわっているマンションのうち16〜20年は1.6%です。
つまり98%の築20年のマンションは、購入後これから2回目の大規模修繕を行うマンションであるといえます。
2回目の大規模修繕の工事金額は平均98万円/戸
戸あたり金額も公表されています。
中央値 | 平均値 | |
工事金額 | 95.6万円/戸 | 97.9万円/戸 |
この金額がマンション購入後に必要になってきます。
後悔5. 出口では築古になる
10年程度までを築浅、30年程度からを築古とすると、築20年のマンションは築中とでもいいましょうか。
購入時は築中に分類されますが、たとえば10年住めば築古の仲間入りです。
「そこそこの値段でそこそこの築年数のマンション」から、「築古のマンション」に変わっていきますから、売却時の価格も人気に応じて下落します。
築20年のマンション購入で後悔しないための3つの対策
築20年は一般的にはお手ごろなマンションですから、特徴を知って対策できれば後悔することはありません。
残債割れ分の貯蓄を残す
まだまだ築古ともいえないマンションですから、残債割れも仕方のないことです。
もちろん残債割れしにくいマンションを買うことも1つですが、残債割れしても補填できる程度の貯蓄はしておきましょう。
たとえば資産価値2,800万円、住宅ローン残高3,000万円なら300万円程度は必要です。
300万円の貯蓄がないと、売りたいのに売ることもできない状況に陥ってしまいます。
貯蓄と売却費用をあわせれば完済できる程度の費用は残しましょう。
リフォーム込みで購入する
リノベマンションが得意な会社に依頼しましょう。
同じ会社でリフォーム費用込みでマンションの購入を検討できるため、購入後のリフォームで予算オーバーする可能性を減らせるからです。
詳細は「リノベするなら家の購入からリノベまで一体型サービスがお得な理由」で解説しているのでご覧ください。
修繕積立金残高を確認する
仲介業者を通じて長期修繕計画と修繕積立金残高を取得してください。
長期修繕計画に以下の内容が記載されています。
- 今の修繕積立金残高はいくらあるか
- 今後の大規模修繕はいつを予定しているか
マイナスになったり不足すれば、必要な修繕ができなかったり一時金がかかったりしますから、しっかり確認してください。
まとめ:後悔しない対策をして築20年のマンションを購入
まとめると次のとおりです。
リフォーム込みの費用の見積もりは「リノベするなら家の購入からリノベまで一体型サービスがお得な理由」で解説しているのでご覧ください。
以上です。
対策に関しては比較的一般的なものでしょう。
つまり一般的な対策ができれば、築20年のマンションは買ってよしです。
何も問題ありません。
築20年のマンションはリフォームも小規模で済みお手頃で買いやすいですから、デメリットをしっかり対策し、ぜひ後悔のない選択をしてください。
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